なんでサルビアなんだろうか。
花屋で切り花として売っているのか?
部屋に投げ入れる花としては似つかわしいイメージがない。
男の独りよがりの想いを一方的に吐き捨てただけのようにも捉えられる。
悲しい陰湿な歌だ。
あまり聴きたくはないが、
何故か心に残る。
誰しもが持つ感情だからだろう。
だが普通の場合、執着を断って置き去りにして前へ進むものだと思うのだが。
まあ歌の中の世界のことだから、
そんなに深刻に考えることも変かも知れない。
歌詞の一節に、
とびらを開けて出てきた君は偽りの花嫁
ほほをこわばらせ僕をチラツと見た
とあるが、
それまではサルビアの花を部屋の中に投げ入れたり、
ベッドにその花を敷き詰めたり、
花吹雪舞う道で君を追いかけたり、
挙げ句には宗教まで蹴飛ばしたりと、
なかなか現実味を感じない、
歌の中の世界でのことなんだなと聴いていると、
やおらこの一節が出てきて、
突然現実のことではないかと気付かされてしまう。
協会の鐘の音も、
花吹雪舞う道も、
そして最初の方の、
サルビアの花を部屋の中に投げ入れたことも
ベッドにその花を敷き詰めたことも、
君を死ぬまで抱きしめていようと決意したことも、
全て現実のことだったんだと気付かされてしまう。
なんとも言いようのない歌ではある。
動画をいくつか観てみると、
この引用した部分の歌詞は、
歌っていないようだ。
あまりにも辛くて、
あまりにも暗いので、
この部分を歌わなくなったのだろうか。